「Mass Effect三部作 Legendary Edition」をクリアしてから数ヶ月。
未知の知的生命体に驚いたり、広い銀河を飛びまわったり、毎日わくわくしながらプレイしていた日々…。
そんな毎日があまりにも楽しかったものだから、クリア後に現実に引き戻された時の反動がめちゃくちゃ大きくて、数ヶ月間の「Mass Effectロス」に苦しんだ私です。ほんと、今でもあの世界が恋しくてたまらない。
2周目3周目と何度も遊ぶのはもちろんですが、いつかはこの世界とお別れしなければならない…。のめり込んで遊べるゲームであればあるほど、その寂しさと切なさが尋常じゃなく大きいんですよね。
加えてこのMass Effectに関しては、色んな意味で衝撃的なエンディングが最後に待ってるもんだから、過去最大級のゲームロスに精神を蝕まれ、悶々と過ごしながら日々を過ごしましたよ。たぶん何年経っても、この悶々とした気持ちは消えないんだろうなーと思う。
そんな「Mass Effectロス」に苦しんだ私が、気を紛らわすためにやったことを記録として残しておきたいと思います。
目次
周回プレイしつつひたすら考察
とりあえず1から3まで通しで、3周はしたかなと思います。3に関してはさらに何周かしました。
とにかく何度もプレイして、プレイするたびにキャラクターのセリフ、会話の内容についていろんなことを考えて、
「そうかー、このときこの人がこう言ってるんだよな」とか、
「やっぱり緑エンドの方がよかったのかなー」とか、
「でもやっぱり赤なんだよなー」とか、
あれこれ考えまくってました。
さらに、周回したうちの1周は、英語字幕でプレイ。
良い悪いは別として、Mass Effectの日本語字幕は、結構「意訳」なところがあるなーというのが私の印象です。訳されてない単語があったり、逆に言ってない言葉が付け足されてたりしてるのをちょこちょこ見かけました。
あと、英語字幕で読んでいると、キャラクターのセリフまわしに関するこだわりもいろいろ発見しやすくて楽しいです。
ギャレスの「calibration」とか「Just like old times」、リアラの「By the Goddes!」といった毎度おなじみの口癖は結構わかりやすいですが…他にも、例えば
これ、マスエフェクト2でリアラがまったく同じセリフを言うんですよね。
母親のセリフを覚えていて意図的に言ったのか、それとも親子だから同じセリフが自然に出てきてしまったのか…。
あとは、マスエフェクト1でベネジアがリアラのことを“Little Wing”というニックネームで呼ぶんですが、その由来がメイトリアークアシータ(リアラの父親)とのエピソードにあったということがマスエフェクト3で判明して、リアラがちょっとうれしそうにするシーンがありますね。
残念ながら日本語版では「Little Wing」という言葉が「宝物」と訳されてしまっているせいで、なんのことやらという感じで、このシーンの感慨深さがいまいち伝わらない感じになってしまってます。まあ、翻訳も難しいんでしょうけどね。
他にも、2と3でホライゾンを去る時のシェパードのセリフとか、3でミランダとシェパードの会話に使われる「promise」の言葉の重みとか、いろんなところで、セリフの言葉選びに対する製作陣のこだわりが感じられます。
さらにいうと、英語字幕では観れるのに日本語版ではカットされているシーンもちょこちょこありましたね。意図的な規制とかではなく、翻訳作業時のミスなんだろうなーというのばかり。セリフのない数秒のシーンが多いですが、観れないのはどうにも残念です。
宇宙についてとりあえず学んでみる
もう何周も遊び尽くして、また最初からもう1周するのはさすがにキツい、でもまだまだあの世界観が恋しい…という段階に入ってから、とりあえず宇宙についてもうちょい学んでみることにしました。
そこで思い切って買ったのがこれ。
惑星とか、星雲とか、とにかくビジュアルが綺麗で圧倒されます。Mass Effectでさんざん見てきたいろんなビジュアルを、いつでも本を開いて眺められるのはすばらしい。あの世界観が恋しくて寂しい気持ちになったときは、よくこの図鑑を眺めています。大満足です。
それから、もうちょっと宇宙の知識に触れてみたいなーと思ったので、この本を読みました。
文系の私でも読みやすく、宇宙に関する大まかな知識をざっくりと知ることができました。
読みながらゲームのことを思い出して、「Mass Effect1で、ミイラになったサラリアンの死体がよく見つかったのはこういうことなのかな」とか考えてみたり。SFの面白さはこういうところにありますね。
宇宙SF作品を楽しむ
宇宙のことはいろいろ知れたけど、やっぱりフィクションが恋しい!となるのは必然ですね。
世界観とか設定が作り込まれてて、都合良くテクノロジーが進んでて、変な宇宙生物とか出てくるあの世界観が恋しくなった私は、「マスエフェクト的な宇宙要素」を求めてSF作品をいくつか漁ってみることにしました。その中で良かったものが下記です。
ハイペリオン(小説)
これはもう、めちゃくちゃ面白かった。
すごい難解なSF小説ってかんじで、序盤は世界観を理解するのが大変なんですが、Mass Effectを死ぬほど遊んだあとだと、馴染みがあるモチーフも多くて、頭に入ってきやすいです。
逆にMass Effect未プレイだったら、この小説は途中で挫折しちゃってたかも。ゲームのプレイ中に、コーデックスを読み漁るのが好きだったプレイヤーなら、この小説もきっと気にいるはず。
「人間vs人工知能」といった構図とか、宇宙種族間の抗争とか、何百光年も先の遠い場所まで一瞬でワープできる装置とか…
全く違う物語ではあるけれど、Mass Effectはハイペリオンのエッセンスをかなり取り入れて制作されたように思えます。
読みながら、「あー、これマスエフェクトのあの部分と通じるところがあるなー」と思ってまたエンディングについて考察したくなる瞬間が何度もありました。
あとは、単純に物語がすごく面白いです。難解すぎて意味わからん部分はたくさんあるけど、それがどうでもよくなるくらいにグイグイ引き込まれて、夢中で読める小説でした。読んでよかった。
書籍としては、「ハイペリオン」(上下巻)に、その続きの「ハイペリオンの没落」(上下巻)、計4冊で物語が完結します(続編もあるけど割愛)。大作です。
スター・トレック(映画)シリーズ
「エイリアンが出てくる世界が恋しい!」という理由から観たのがこの映画。
「スター・トレック」(2009)、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」(2013)、「スター・トレック BEYOND」(2016)と3作続けて観ました。
- FTL航行(本作では「ワープ」と呼ばれている)
- 謎の技術による転移(テレポート)システム
- コレクター船を思い起こさせる、巨大で禍々しい宇宙船。
- シタデルを思わせるような宇宙都市
壮大なビジュアルとダイナミックな映像で、マスエフェクトロスで飢えまくっていたエッセンスをたっぷり補充できたという点では大満足な映画でした。
あと、個人的に私はMass Effectのラストでシェパードが命を犠牲にしなければならなかったことをものすごく恨んでいるというか、あの「主人公犠牲エンディング」ですごく傷付いたわけなんですが、
「スター・トレック」の主人公にも、「他の命を救うために自ら犠牲になって死んだ父親」がいるんです。
そんな主人公は、「俺は父親のようにはならない」「自分の命をあきらめない」といった姿勢ですごいがんばるんですよね。そこが個人的にはすごくうれしかった。
仲間たちが主人公を助けようと最後まであきらめずに頑張る姿も見れて、「そうそう、こういうのがいいんだよ」と思ってしまった。
「なんで最後シェパードを助けに行かなかったんだよノルマンディーのみんな…」とかまたマスエフェクトのこと考え出す自分が出てきたりして、でもこの映画のシナリオが心の救いになりました。
インターステラー(映画)
2〜3年前に一度観た映画なんですが、とにかく「宇宙SFモノ」に飢えていたのでもう一度観ることに。
初見じゃないのですごい映画だってことはもちろん知ってたんですが、改めて観て、記憶と想像の何倍もすごい映画だったと実感。
わくわく感が他の作品と比べ物にならないです。
Mass Effectと違って宇宙人はいないし、人類が住める星もそんなに簡単には見つからないし、火星に行くにも冷凍睡眠が必要なレベル。重力や光速航行による相対的な時間のズレとかもあるし。
Mass Effectにどっぷり浸かった後に観て、「そうだった、現実ってこういうことだよな。」と我に返りました。
「SFの面白さ」ってこういうことなんですね。現代の常識ではまったく信じられないようなことが起こる。起こり得る。いや、起こし得る。人類が、科学の発展が、新しい発見が、とんでもない空想を現実にする。
いろいろと都合良く宇宙を飛び回れて楽しいMass Effectも大好きだけど、もう少しリアリティのあるこの作品が、ゲームばかりやっていた私に「現実感」を思い出させてくれました。いろんな人たちの努力によって、少しづつ少しづつ未来は楽しいものになっていくんだなあと。
そして、エンディングにも安心しました。マスエフェクトのエンディングを観た後だと、どんな結末でも良く見える不思議。
いろいろ書籍や映画を漁った結果
まあ、いろいろ観た後でも結局、しばらくはMass Effectのことを忘れられなかったんですけれども…
結果的に、宇宙SFとか、宇宙に関することにすごく興味を持つようになって、自分の世界が広がったのが良かったなと思います。
人間が宇宙に気軽に行けるような時代が早くくると良いなーなんて、子供みたいにわくわくできる大人になりました。
ゲームロスに負けず、現実を生きていきたいと思います。
マスエフェクト1で、メイトリアークベネジアが言うセリフ
“Have you faced an asari commando unit before? Few humans have.”