『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』感想レビュー|かわいすぎるネコゾンビ漫画

ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット

これはとんでもない漫画だ…。
もう、タイトルと表紙を見た瞬間に購入決定。

ありそうでなかった「ネコゾンビ漫画」、

その名も『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』

タイトルは1968年に公開されたゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディです。

ゾンビものだなんて、「怖そう!」とか「グロそう!」とか思うかもしれませんが、心配すること勿れ。ゾンビが出てくるわけではありません。

ネコたちの絶妙な可愛さと、奇妙な笑いに癒される。
全ての猫好きを謎の幸せな気分に包み込む漫画となっております。

あらすじ

とあるペットフード会社の爆発事故により、謎のウイルスが流出。

感染した猫に触られる(スリスリされる)と、人間が猫になってしまうという事態が発生。

町中に感染が広がり、増殖していく猫たち…。
まさに未曾有のパンデミック、いや、ニャンデミック状態。

迫り来る猫たちから逃げ回る主人公は、無事に生き残ることができるのか?
それとも猫にされてしまうのか?

猫好きの私からすれば「もはやどっちでもいいよね!」が本音だが、最初から最後まで猫たちから目が離せない、1ページ1ページが愛おしい漫画です。

怖いはずなのに…くそっ!かわいい

基本的には、「感染して正気を失った猫が襲ってくる」っていうホラーな物語なので、絵のタッチも迫真に迫った雰囲気だし、緊張感があるんですよ。

展開的には、バイオハザードと同じですよ?

なのになぜ……なぜこんなにかわいいの。

擬音がいちいちかわいすぎ

よーく見ると、効果音というか擬音?がおかしい。
ふつう、漫画で使われる擬音の定番って「ドーン!」「バーン!」とか「ゾクッ!」とかでしょ。

本作は違います。

猫擬音

ウニャニャニャー とか

モフッ とか

スリッ とか

ゴロロ… とか…

幸せか。

猫好きが好きな擬音、これでもかと詰め込んだ豪華絢爛アソートパック。聞こえないけどASMR。目で見るASMR。

幸せな?ゾンビもの

「感染すると猫になる」という点は斬新だけど、一応はちゃんとしたゾンビものなんですよね。

  • 触れられたり舐められたりすると感染する
  • 感染した猫は人を見つけると狂ったように襲ってくる

犠牲者が増えていくパターンもお馴染みのもの。

  1. 誰か1人が偵察に行ったまま帰ってこない。
  2. 別の1人が様子を見に行く。
  3. そうやって1人ずつ消えていく。

いろんなゾンビホラーの「あるある」をしっかり取り入れてくれて、もはや安心感すらあります。

唯一、普通じゃないのは、

別に感染して猫にされちゃっても、まあいいかもねー

っていう、ゆるい気持ちで読めるところ。

ここまでゆるいゾンビ作品が、かつてあっただろうか。

思いつきそうで、誰も思いつかなかった斬新さが秀逸です。

ほほえましいタイプの笑い

本作の主人公は、猫カフェで働いている、猫が大好きな青年。

襲いくる猫たちから逃げたり、時に戦ったりしながらも、猫に対する愛情を止めることができず、いちいち苦悩を露わにします。

例えば、猫から逃げるために必死で走って車に乗るシーン。

車のところまで辿り着いてから発する最初の一言は、

猫バンバンよし エンジンをかけろ

敵に対する気遣いがやさしい…。

さらに、近寄ってくる猫たちに対して、

俺に!!近づいちゃ駄目だあああああ!!

とか言いながら猫にバシャー!って水をかけた直後、

あ゛あ゛あ゛あ゛ゴメンよおおおお!!

と絶叫謝罪。

そのギャップが面白すぎて、ほほえましい。
読んでいて幸せな気持ちになります。

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』との関連性

1968年にアメリカで公開された映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』

タイトルをもじって『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』としたのは、「あ、ゾンビものなんだな」と伝わりやすい上に、かわいさとユーモアがあって最高です。

2つの作品は全く違うストーリーなので、特に映画を観ていなくても問題ありません。

ただ、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』はゾンビ映画の原点とも呼ばれる作品なので、「ゾンビ映画の古典」として1度観ておいても損はないかもしれません。

「ゾンビもの」に慣れきっている現代の私たちからすると、特に目新しさも恐怖も感じないですが…。当時の人々にとっては衝撃的だったのだろうと思います。

なんとAmazon Prime Videoで配信されていたので、私はそれで観ました。

すべての猫好きを虜にする漫画

もうこのまま猫に地球を支配されちゃってもいいんじゃない?って思うんですが、物語はまだまだ始まったばかりです。

続く第2巻がでるまでに100回くらい読み返しそう。

猫を愛する主人公による、「猫と人の共存する世界」を救う物語。

猫が好きならぜひ読んでみてはいかがでしょうか。